IoTって結局なに?世界のIoT実例 - 自転車・バイク編(7選)
「IoT(モノのインターネット)」という用語をよく聞くようになりましたが、具体的にどんな場面で役に立つのかはまだまだ想像しにくいですよね。
しかし、世界ではIoTな製品がたくさん登場しています。今回は、「IoTが何か」がわかるような世界のIoT実例を、自転車やバイクの製品に絞って紹介します。本当に把握できないほどあるので、日本ではあまり見かけないデザインやコンセプトのIoT製品を私の独断で選びました。
1. Skully:GPS内臓のスマートヘルメット
バイク用のヘルメット「Skully」は後述するように素敵なガジェットだったのですが、クラウドファンディングサービス「Indiegogo」にて予算を達成していたにも関わらず2016年8月にSKULLY社が業務停止を発表し、製品の出荷がなくなってしまいました。しかし、アイデアが素敵だと思ったので紹介します。
Skullyはヘルメットのカバー部分に映像を映し出す「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」を備えたヘルメットです。バイクの速度を常時ディスプレイから確認できたり、ヘルメットの後方についているカメラで、前を向きながら自分の後方を確認できます。
体験した人によると、首を振らずに周囲の90%くらいは見えた(参照)そうです。また、GPSを内蔵しており、あらかじめ設定しておいた目的地への曲がるタイミングなどを知れます。電話に出ることも可能なのだとか。スマートフォンで地図アプリを使わなくてもいいって地味に便利ですよね。これが量産されていたら・・・!
2016年11月現在:生産・販売停止
2. Vanhawks Valour:目的地までナビしてくれる自転車
Vanhawks ValourはIoT技術を詰め込んだ自転車です。まず、ハンドルに埋め込まれたLEDが曲がるタイミングや方向を示してくれます。そして、後方の車などを検知するセンサーが自転車に内蔵されてるので、もし車などが接近しても自転車のハンドルが振動して危険を察知することができます。
スマートフォンアプリから走行ルートを指示できたり、走行距離を記録できたりとあなたの自転車生活をサポートしてくれる魅力がたくさん。Kickstarterで出資を募り成功したプロジェクトです。黒と赤を基調にした見た目がかっこいいですね〜〜!
2016年11月現在:売り切れ
3. Hammerhead One:もう道に迷わない!ハンドルに取り付けるナビ
Hammerhead Oneは自分の自転車のハンドルに取り付けるだけで、目的地までの方向をLEDライトでナビしてくれるT字型のツールです。コンセプトが2. Vanhawks Valourと似ていますが、こちらはすでに自転車を持っている人向けの製品ですね。
夜に光るフルカラーLEDはきっと綺麗でしょうね!
2016年11月現在:販売中($99)
4. Ellipse:スマホから施錠できる自転車用の鍵
EllipseはU字型のロックです。スマホアプリからBluetooth経由で施錠できるほか、盗まれそうになったらアラートをプッシュ通知で受け取れます。タップしなくても、ある程度近づくだけで開錠するよにも設定できます。鍵はソーラーパネルから充電できるそうです。
アプリから他の人へ自転車の開錠権利を渡すこともできます。友人や家族に貸すときもアプリから簡単。インターネット経由で鍵の権限を渡せるスマートロックの「Qrio」みたいですね。
2016年11月現在:販売中($199)
5. Xkuty:iPhoneから操作できる電動バイク
XkutyはiPhoneから電源のオン・オフや速度の上限設定などを設定できる電動バイクです。ソーラーパネルつきの充電スポットから充電できる仕組みになっています。バイクの色はぜんぶで8色。
走行距離を確認できたり、ロックの貸借りなんかもスマホアプリからできるようになれば便利ですね。
2016年11月現在:販売中(2.980€〜 )
6. brompton:みんなで街のデータを集める自転車
Bromptonはセンサーつきの折りたたみ自転車。ひとつひとつ、ロンドンにて手作業で作られています。街でのサイクリングをより安全にするために開発されました。
Bromptonを使うと現在の走行速度がわかるほか、万が一事故にあった際、事前に登録しておいた連絡先に通知がいきます。また、パソコンから事故現場を地図で把握できます。
街の気温や空気の汚染度(Air Quality)を各自転車のセンサーからデータ得て貯めているそうです。乗り手に優しく環境汚染とも長期的に向き合える自転車です。
2016年11月現在:販売中(£785〜 )
7. Orbitrec:3Dプリントで作られた本気の自転車
Orbitrecは3Dプリンタで作られた自転車。加速度、角速度、地磁気、温度、湿度、気圧、照度などを取得できるセンサーとGPSを搭載しています。日本の企業「Cerevo」が制作しました。
秋葉原にあるものづくりスペースDMM.make AKIBAにて一時期展示されていましたが、本当に見た目がかっこよかったです。(その頃は機能についてを知らなかったので詳しく見ていませんでした……自分のバカ!)
おわりに
モノとインターネットを繋げる「IoT」の概念を少しでも想像できていれば幸いです。
ただ単に「モノとインターネットを繋げるだけ」では用途がわかりにくいものが生まれがちです。しかし、今回紹介した製品のようにコンセプトや解決したい課題があれば、きっとIoTは役に立つんじゃないかなと思います。
自分の生活の範囲であれば、マイコンボード(小さなコンピュータ)やセンサーといった電子パーツを使って、自作することもできます。dotstudioではそういったIoTに興味のある方向けに、パーツを集めたキットも販売しているので、自作IoTに挑戦してみたい方は利用してみてください。
- センサーなどを使ってみたい方向け:Nefry、Wio Node
- はんだづけを練習したい方向け:光るキーホルダー制作キット・光るイヤリング制作キット
- JavaScriptでモータなどを動かしてみたい方向け:Node.jsキット
それではまた。