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2018.02.26

パソコンやモバイルバッテリーに繋いで動かせるデバイスを作ろう!USB電子工作のすすめ#1 - 基礎知識編

うこ

うこ道場
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こんにちは、ものづくり担当のうこ(@harmoniko)です。

みなさんは、電子工作をするときの電源はどこから取っていますか?

Arduinoをよく使われる方だと5V端子や3.3V端子から取っている場合が非常に多いですが、ではArduinoを使わない、ピュアな電子工作の場合だとどうしたらいいでしょうか?

今回は、電子工作用電源としても非常に有用なUSBの基本と扱い方についてお伝えします。

USBのしくみ

USB」は「Universal Serial Bus」の略で、PCとその周辺機器の間の汎用的な通信規格として1996年に登場しました。USBは1対2本の信号線(※)で順番にデータを送る「シリアル接続」という方式で、複数のデバイスを吊り下げられる「バス規格」の1つです。

※…USB 2.0まで

端子は従来のものと比べてシンプルになり、ホストとデバイスをすぐに区別できるようなものになりました。

USBを使って通信をするには、USBを制御する専用のコントローラハードウェアが必要となるため、電子工作では少し難易度があがります。ただし、電源を使うだけならケーブルを切って電源のVcc線(+)とGnd線(-)を引き出すだけでよいので、スマホが普及しはじめるよりも早くから電源用ケーブルとしても使われるようになりました。

USBの簡単な特徴をまとめると、以下のようになります。

さて当記事は、 「電子工作において電源として気軽に使えるUSB」 を知っていただくためのものですので、扱いの簡単な「USB2.0規格(タイプC端子を除く)」までを使う前提の説明にとどめます。

USB3.0規格以降は端子が増えたり電源規格が多様になったりしているため、電子工作での利用であれば、USB2.0規格までの理解で問題ありません。

さらに詳しくUSBについて知りたい方は、以下のリンクを参考にしてください。

⇒ 参考: 現代PCの基礎知識(7):仕様書を紐解くとわかる―本当はややこしいUSB(Think IT)

電源に使うことのメリット

電源に使うことのデメリット

仕様の一覧

USB 1.0USB 1.1USB 2.0
端子タイプ(ホスト側)標準A標準A標準A, タイプC
端子タイプ(デバイス側)BBミニA, マイクロA, ミニB, マイクロB, タイプC
通信速度12Mビット/秒12Mビット/秒480Mビット/秒
定格電圧同右同右約5V(ホスト側4.4~5.25V)
最大電流500mA500mA500mA(USB BC拡張:1.5A)

以上は通信に関する基本的なバージョン仕様ですが、さらにUSB2.0を拡張したUSB電源専用規格である「USB BC(Battery Charging)」というものがあり、1.5Aまでの電流を流すことが可能となっています。

また、電子工作で利用するためのUSBパーツは100円ショップなどで購入できます。100円ショップなどで安価に入手可能なUSBパーツはほぼ100%がUSB2.0規格またはUSB BC規格のものとなります。

よって、電子工作の電源としてUSBを使ってみたいときはUSB2.0規格またはUSB BC規格に準じたUSB部品の仕様を知っておけばOKです。

USBケーブルの配線図

USB2.0には、電源線の5V(VccやVBUSとも)とGND、信号線のD-とD+の合計4種類の線があります。ケーブルのほとんどは2層構造になっていて、内側に収められている4本の線の色分けも上図のように決まっています。

電子工作でUSBを使うときは、「標準Aメス端子を基板に実装する」か、上図のような「標準Aオス端子がついたケーブルの電源線を接続する」ことになるので、端子の順番や色分けは覚えておくと楽です。

電圧と電流

USB電源の基本は「電圧5V/電流500mAまで」です。

といっても、これはパソコンのような「電源供給」を主目的としないホストから給電する場合の「USB2.0規格」による制限値です。

電子工作でUSB電源を扱う場合は、モバイルバッテリーやUSBコンセントなどからの給電がほとんどになると思われます。その場合は、USB BC規格の上限値である1.5Aとなりますが、普通はバッテリーやコンセントに最大出力が書いてあります(例:5V/800mA)ので、電流値の最大はそれに従いましょう。


USBケーブルの注意点

細かい話をすると、市場で出回る多くの充電器は「最大2.4A出力」などを謳っていて、この場合だとUSB BC規格にもあてはまりません。このような製品は、USBを通信を行わない完全な電源ケーブルとみなし、独自の規格を採用している場合が多いです。よって、電子工作でUSB電源を使うときは、「USB2.0規格の配線」と「使いたい電源供給源(バッテリーやコンセント等)の出力電流」を考慮して回路設計をするのがベストだといえます。難しく考えたくない人は、 **とにかく省エネになるように意識して作る**ようにするのがよいでしょう。

⇒ 参考: 乱立するスマホ向け急速充電の規格について調べた(HANPEN-BLOG)


電子工作での利用を考えると電流消費を見ることが大事で、個人で製作する小規模な回路であればほとんどが500mA以内に収まることが多いです。

ヒーターやモーターを使った回路は例外的で、接続された個数や負荷で変動しますが、最大電流が容易に1Aを超えてしまうことがあります。しかし、どのような場合であっても、個人製作された電子回路は漏電流やショートへの配慮、適切な電流制限などが行われていないことが大半です。

基本的には、USB電源を利用する自作の電子回路は、安全上の理由からパソコンに接続して給電してはいけません。

⇒ 参考:USBポートは電源ではありません

現実には今のパソコンは全て保護回路が入っているため、ブレッドボードを繋げたArduinoにパソコンから給電するといったようなことを行なっていてもまず問題はありません。しかし危険性は少なからずあるものだとして意識してもらえれば幸いです。

(15年ほど前のパソコンでは、USB端子に500mA以上の過電流を流すといきなりパソコンの電源ごと落ちるものもありました。)

入手方法

おすすめは100円ショップ

100円ショップの電気系コーナーに行くと、どこに行っても大抵はUSBケーブルが置いてあります。USBケーブルの中でも取り扱いが多いのは、おそらく次の3つでしょう。

このうち、最後の Aオス端子-Aメス端子(ケーブル延長用) は、置いていない店舗もありますが、

といった点から、電子工作で利用するには最もおすすめなケーブルとなっています。売られているのを発見したら、ぜひ買っておきましょう。

実際に電子工作で使うには

USBについて、どんなものなのかなんとなくおわかりいただけましたでしょうか?

とりあえず要約すると、 「100円で手に入って電子工作で簡単に利用できる汎用電源インターフェース」 といったところでしょうか。では、実際に使うにはどうすればいいかを見ていきましょう。

USBケーブルを電源として利用する上で最も重要なパーツが「Aオス端子」部分となります。

100円ショップで購入できるUSBケーブルは少なくとも一方がこの端子ですので、この端子から伸びるケーブルを十分長く残したうえでニッパで切断します。長さは、製作するモノによって適切に決めてください。あとから調整できるという意味では長めに切り取るのがよいでしょう。

切り取った部分の一番外側の皮膜をニッパまたは皮膜剥き用のニッパで1cm程度除去します。

すると細い4本のケーブルが中から出てきますが、このうち赤色と黒色がそれぞれ電源となります。

残りの2本は信号線で、USB BC規格として大きめの電流を流したい場合は、この信号線を200Ωの抵抗でショートします。が、実際には何もしなくても給電はなされます。ここでは簡単にするため切り落としました。

(3/4 修正)200Ωの抵抗を接続するのは充電器側であるとのご指摘をいただき、上記訂正します。

⇒ 出展: USB.orgの開発者向けドキュメントにある「Battery Charging v1.2 Spec and Adopters Agreement.zip」内のBC1.2_FINAL.pdf「Battery Charging Specification, Revision 1.2」3.2.4項「Primary Detection」のFigure 3-6 など)

これで、Aオス端子が電源側、切断したほうが電子回路側となります。

さて、次回は電池駆動の機器をUSB駆動に改造するために、電源と機器の関係について考えてみたいと思います。

お楽しみに。

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