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電流と電圧

最終編集:2016.11.17

「電圧」は、「水圧」と同じようなもの

「電圧」「電流」「抵抗」 日常生活で最もよく聞くのが、「電圧」だと思います。コンセントからとれる電気の「電圧」は100V(ボルト)、単3電池1本の「電圧」は1.5V(ボルト)、というのは多くの人が知っていることでしょう。

この「電圧」として表される数値は電気そのものの強さではなく、 「電気を流そうとする力の強さ」 です。

水道の話に置き換えてみると「電圧」は「水圧」に相当 します。例えば2階や3階建てのアパートのキッチンなどでは、どの部屋のも基本的には同じ蛇口が使われていますが、1階が最も水の流れ出る量が多く、上のほうの階に行くにつれて少なくなっていきます。(※注:給水塔が屋上になく、かつ古い建物の場合です)

これは、 蛇口の大きさは同じであるが水圧が階数によって異なるため です。

いわゆる「電気」とは、「電流」のこと

では「電流」は何なのかというと、先ほどの水道の話に置き換えると 「電流」は水そのもの となります。水圧の違いが水の流れ出る量に影響を与えるのと同様に、 電圧の違いは電流の量に影響を与えます。 電圧が高いほど、電流量も多くなるわけです。

我々人間は生きるために水が必要となります。例えばコップ1杯の水がほしいときに必要なのは「水圧」ではなく「水そのものの量」ですよね。電気を扱う機械も同じで、 動き続けるために必要なのは「電圧」ではなく「電流の量」です。

このことから、 「電気」の本質は「電流」のこと だといえます。「電圧」はあくまで、「電流」を多く発生させるために必要な力だということですね。

蛇口の口径を変えると、水量も変化する

さて、もしもあなたがアパートの上のほうの階に住んでいて、水圧が弱くて困っているとします。このときに水の量を増やす手段としてひとつ考えられるのは、 蛇口の径を大きくすることです。

電気においても同じで、もしも電圧が低ければ、 電流の通り道を太くしてやれば電圧を変えずに電流量を増やすことができます。

この「電流の通り道」は、電子工作の世界では、主に「銅線」という銅でできた細い線のことをいいます。水と同様にこの線の太さなどで電流の流れ具合も変わるわけですが、このときの 「電流の流れにくさ」を「抵抗」といいます。

「抵抗」は「交通渋滞」に似ている

例えば、クルマを運転して東京から名古屋に行く場合をイメージしてみましょう。道路幅が比較的広くて距離も短い「新東名高速道路」を使う場合と、道路幅が狭めで距離も長くなる「中央自動車道」では、どちらのほうがストレスがたまるでしょうか。ほとんどの場合は後者のほうが疲れやすく、時間もかかります。

電気の場合もこれと同じで、 電流の流れ道は、幅が狭くて距離が長いほど電流が流れにくくなります。 これは 「抵抗値が大きい」 と表現することができます。

では東京から名古屋まで、高速道路を使わずに一般道路で行く場合も考えてみましょう。当然、一般道路は信号機が多数あったり、カーブがきつかったり、車線は一つしかなかったり、など、高速道路に比べると明らかに障害物が多いですね。これはもうどんな高速道路を使うよりも行きづらいことに疑いはありません。

電気の場合は、通り道の幅や長さを変えたりせずとも、 その通り道の一部に電流の流れにくい「障害物」を入れることで「抵抗値」を大きくする ことができます。このような処置がなされた電気の通り道となる部品のことを 「抵抗器」 といいます。

電圧・電流・抵抗 のそれぞれの関係

以上のことから、「電圧」「電流」「抵抗」の3つには、次のような関係があることがわかっていただけたかと思います。

ここで、電圧を記号E、電流を記号I、抵抗Rとしましょう。 するとこれら3つのあいだには次のような関係があります。

I = E ÷ R

この式は、 「オームの法則」 と呼ばれます。いわゆる「電気」は、「電流」のことであるというのは先述しました。

つまり 電気の強さは、電圧が大きいほど強く、抵抗が大きいほど弱くなる ということになります。

電子パーツは「電流」でうごく

さて、電子工作において、これら「電圧」「電流」「抵抗」を考えなければならない場面というのはどのようなときでしょうか。

先ほど、「電流」が「電気そのもの」ということは説明しました。つまり、電気で動くパーツは電流を基準に考えればよいわけです。(一部、電圧駆動というパーツも存在します)

例えば、あるLEDを光らせたいとき、20mA(ミリアンペア)という量の電流が必要であるとします。この数値はパーツを買ったときに「定格電流」として表示されているのでチェックしておきましょう。

電池でLEDを光らせてみよう

電源として用意できるのは乾電池やコンセントからの電気などですが、その電気に関する情報として知り得ることができるのは「電圧」のみです。

例えば、乾電池4本(合計6V)で定格20mAのLEDを光らせる回路を作るとしましょう。この回路では、LEDの両端に6Vという「電気の圧力」がかかっていますが、実際に流れる電気である「電流」はどれほどになるのかわかりません。

そこで、LEDのどちらか側に「抵抗器」を置くと、もしも抵抗値がわかっていれば、その抵抗器から流れ出る電流はどれぐらいになるか計算することができます。その電流値が20mAで、LEDに流れ込むようにしてあげればうまく点灯しそうですよね?

このとき「オームの法則」を利用して、 与えられた電圧から必要な電流を流せるだけの抵抗値を求めます。 すなわち、

20mA = 6V ÷ R

が成り立つようなRの値の抵抗器を、LEDの前か後に置いてあげれば良いわけです。

ここで、mA(ミリアンペア)のm(ミリ)は、1000分の1を表す接頭辞です。これを考慮してRについて解くと、

R = 6V ÷ (20 × 0.001) = 300

となります。また、抵抗値の単位はΩ(オーム)といいます。よって、乾電池4本6Vで20mA駆動のLED1個を光らせたいときは、「300Ωの抵抗が必要」となります。

コンセントでもLEDを光らせてみよう

今度はコンセントからの電気、100Vの電圧でLEDを光らせることを考えてみましょう。(ここでは、簡単のため直流100Vとして話をすすめます)

先ほどの乾電池の電圧6Vが100Vへと大幅に大きくなりました。この場合も、オームの法則を使って必要な抵抗器の値を求めてみましょう。

R = 100V ÷ (20 × 0.001) = 5000

5000Ω、ですね。ほとんどの場合は5000Ωとは言わず、1000を表す接頭辞のk(キロ)を用いて5kΩ(キロオーム)と表記されます。よって、5kΩの抵抗器を入れれば、コンセントからの100Vという大きな電圧でも同じLEDを光らせることが可能なのです。

しかし実際には、電子工作でよく使われるような小さな抵抗器では、「定格電力」の値を大きくオーバーして焼き切れてしまうため、大電力用の大きな抵抗器を使う必要があります。これは後述する、電子パーツの「消費電力」が関係しています。

どんなところにも抵抗は存在する

もしも抵抗器がない回路を作ると、電流はどれぐらい流れるのでしょうか? 抵抗器がもし無かったとしても、回路を構成する銅線・LED・電池に至るまで、電子パーツはすべて「抵抗値」を持っています。ここでオームの法則を考えてみましょう。

I = E ÷ R

ここで、回路全体の抵抗値がRだったとします。このRが限りなく0に近づくとすると、電流Iは電圧Eの値に関係なく、無限に上昇していきます。