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抵抗

Resistance

抵抗とは

電子回路における「抵抗」とは正しくを「電気抵抗」と言い、その名の通り 「電流を阻害する要素全般」のことを指します。

抵抗には2つの種類があります。1つ目は、電子回路の特定の区間において、その瞬間の電圧値を実際に流れる電流量で割った「電気抵抗」 であり、これはいかなる電気的な物質・回路においても発生する電流阻害要素のことです。

2つ目は、時間的に変化する交流電流がもつ「リアクタンス」です。交流電流の場合、回路そのものの電流の流れにくさとは関係なく、電流を変化させることによって「電磁場」が発生します。この「電磁場」が、発生元である交流電流自身に対して与える「時間的に変化する抵抗」を「リアクタンス」といいます。

このドキュメントにおいては、大半の電子回路で扱う直流のみを対象とした「電気抵抗」のみについて説明し、これを以下においてはすべて「抵抗」と呼称します。

抵抗を決定づける3つの要素

「電流と電圧」の『「抵抗」は「交通渋滞」に似ている』において、電流の流れ道は、幅が狭くて距離が長いほど電流が流れにくくなるということを説明しました。

この関係を、もう一度「交通」(道路)に例えてみましょう。電流の流れ道のことを、ここでは 導線 と呼びます。導線の持つ各要素を道路の要素にあてはめて、それぞれ文字記号で表すと、次のようになります。

  • L:導線の長さ = 道路の距離
  • S:導線の太さ = 道路の車線幅・車線数
  • ρ:導線の電気抵抗率 = 道路の路面状況・カーブの数など

これらの関係を式で表すと、次のようになります。

抵抗値R[Ω] = ρ × (L / S)

この「抵抗値」を決定づける3つの要素をひとつずつそれぞれ読み解くと、次のことがわかります。

  • 抵抗値は導線の長さに比例する
    = 車の運転のしやすさは距離の長さに比例する(短いほど楽)
  • 抵抗値は太さ(断面積)に反比例する
    = 車の運転のしやすさは車線幅・車線数に反比例する(太い・多いほど楽)
  • 抵抗値は電気抵抗率に比例する
    = 車の運転のしやすさは路面状況に比例する(綺麗な舗装の道路のほうが楽)

このように、抵抗値を決定づける要素は「交通」の要素と非常に似ていることがわかります。

抵抗値の計算

抵抗値は、電圧と電流に対して次のような関係があります。

抵抗[Ω] = 電圧[V] ÷ 電流[A]

この式を見ると、抵抗は 電圧と電流の比であるとも言えます。

実際に使用される抵抗

電子回路で使用される抵抗は「抵抗器」といい、電気抵抗を制御する目的で利用されます。「抵抗器」は上述の三つの要素のうちの「電気抵抗率」が異なる物質を様々に利用し、物質のサイズ(長さおよび断面積)を微調整することで多種多様な抵抗値を生み出します。

実際に抵抗を用いる際は、適切な抵抗値が設定されたものを用いる必要があります。交流回路では、「コイル」や「コンデンサ」といった電子パーツを組み合わせ全体的な抵抗値を調整します。

詳細は「抵抗器」の項目を参照してください。(近日公開予定です。)

Last edited on 2017.05.05 by うこ

抵抗

Resistance

抵抗とは

電子回路における「抵抗」とは正しくを「電気抵抗」と言い、その名の通り 「電流を阻害する要素全般」のことを指します。

抵抗には2つの種類があります。1つ目は、電子回路の特定の区間において、その瞬間の電圧値を実際に流れる電流量で割った「電気抵抗」 であり、これはいかなる電気的な物質・回路においても発生する電流阻害要素のことです。

2つ目は、時間的に変化する交流電流がもつ「リアクタンス」です。交流電流の場合、回路そのものの電流の流れにくさとは関係なく、電流を変化させることによって「電磁場」が発生します。この「電磁場」が、発生元である交流電流自身に対して与える「時間的に変化する抵抗」を「リアクタンス」といいます。

このドキュメントにおいては、大半の電子回路で扱う直流のみを対象とした「電気抵抗」のみについて説明し、これを以下においてはすべて「抵抗」と呼称します。

抵抗を決定づける3つの要素

「電流と電圧」の『「抵抗」は「交通渋滞」に似ている』において、電流の流れ道は、幅が狭くて距離が長いほど電流が流れにくくなるということを説明しました。

この関係を、もう一度「交通」(道路)に例えてみましょう。電流の流れ道のことを、ここでは 導線 と呼びます。導線の持つ各要素を道路の要素にあてはめて、それぞれ文字記号で表すと、次のようになります。

  • L:導線の長さ = 道路の距離
  • S:導線の太さ = 道路の車線幅・車線数
  • ρ:導線の電気抵抗率 = 道路の路面状況・カーブの数など

これらの関係を式で表すと、次のようになります。

抵抗値R[Ω] = ρ × (L / S)

この「抵抗値」を決定づける3つの要素をひとつずつそれぞれ読み解くと、次のことがわかります。

  • 抵抗値は導線の長さに比例する
    = 車の運転のしやすさは距離の長さに比例する(短いほど楽)
  • 抵抗値は太さ(断面積)に反比例する
    = 車の運転のしやすさは車線幅・車線数に反比例する(太い・多いほど楽)
  • 抵抗値は電気抵抗率に比例する
    = 車の運転のしやすさは路面状況に比例する(綺麗な舗装の道路のほうが楽)

このように、抵抗値を決定づける要素は「交通」の要素と非常に似ていることがわかります。

抵抗値の計算

抵抗値は、電圧と電流に対して次のような関係があります。

抵抗[Ω] = 電圧[V] ÷ 電流[A]

この式を見ると、抵抗は 電圧と電流の比であるとも言えます。

実際に使用される抵抗

電子回路で使用される抵抗は「抵抗器」といい、電気抵抗を制御する目的で利用されます。「抵抗器」は上述の三つの要素のうちの「電気抵抗率」が異なる物質を様々に利用し、物質のサイズ(長さおよび断面積)を微調整することで多種多様な抵抗値を生み出します。

実際に抵抗を用いる際は、適切な抵抗値が設定されたものを用いる必要があります。交流回路では、「コイル」や「コンデンサ」といった電子パーツを組み合わせ全体的な抵抗値を調整します。

詳細は「抵抗器」の項目を参照してください。(近日公開予定です。)

Last edited on 2017.05.05

by うこ

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