抵抗器
Registor抵抗器は任意の抵抗値をもった電子パーツのことで、 数ある電子パーツのうちで最も重要と言っても過言ではありません。様々な種類があり、用途に応じて使い分けられます。
抵抗の概要や計算については「抵抗」の項目を参照してください。
抵抗器の種類
抵抗器は以下のような項目によって分けられます。
- 抵抗値が可変であるか否か
- 固定の場合・・・抵抗値ごとに数十種類
- 可変の場合・・・抵抗値の可変幅ごとに数十種類
- 使われている素材
- 許容電力容量
- 形状
- サイズ
実際に抵抗を用いる際は、適切な抵抗値が設定されたものを用いる必要があります。
固定抵抗器
抵抗値が最初から決まっていて変化させることができません。電子回路においては、必ずといっていいほどよく使われます。
カーボン皮膜抵抗器
個人向けの電子工作では、LEDに次いで使用頻度が非常に高いパーツです。
カーボン皮膜抵抗器は値段が非常に安く(1本1円以下)、とても扱いやすい電子パーツのひとつです。その名の通り、炭素素材が使われています。
カラーコードの読み方
チップ抵抗器
電子回路の基板上に直接実装される抵抗器で、ゴマ粒ほどのサイズで四角い形をしています。
機械で実装基板が作られるときに自動で取り付けられることがほとんどですが、手ではんだ付けをすることもできます。ただしその場合はある程度の経験と技量が必要です。
可変抵抗器
抵抗値が可変である抵抗器の総称で、ボリュームのようにつまみを操作することで抵抗体の長さが変わり、全体の抵抗値を変化させることができます。
直線的な位置変化や回転量を抵抗値に変換できるため、その特徴からセンサの一種としても扱われることも多いです。
2端子型と3端子型
端子が2つしかないタイプは、両端のあいだの全体の抵抗値が可変となっています。
端子が3つあるタイプは、真ん中の端子と両端のそれぞれの端子とのあいだで、抵抗値が異なります。両端の端子をAとC、真ん中の端子をBとした場合、つまみを動かすとA-B間の抵抗値とB-C間の抵抗値の合計値が常に等しくなるようにBの位置が変化します。
抵抗値の変化特性
可変抵抗は、つまみの位置に比例して抵抗値が変わるものとそうでないものがあります。この特徴を可変抵抗器のカーブ特性といいます。
つまみの位置に比例して直線的に抵抗値が変化するカーブ特性をもった可変抵抗器は「Bカーブ特性の可変抵抗器」と呼ばれ、つまみの変化量に対して抵抗値の変化がゆるやかであるものがAカーブ、急であるものがCカーブとされています。
これらの特性は可変抵抗器表面に表示されていて、例えば「B10K」と書かれていれば「Bカーブ特性で0〜10kΩまで変化する可変抵抗器」であることがわかります。
温度特性と精度
抵抗器は、使用すると発熱する
抵抗器は、その名の通り電気に抗うパーツです。抵抗器に電圧をかけると、その作用により決まった電流しか流れません。 本来、抵抗器がなければ流れるはずだったぶんの電流は、すべて熱に変換されています。
電子工作で扱う電流はごく小さいものなので、抵抗器に触れてもあまり熱を感じませんが、どんな小さな抵抗器であっても熱は発生しています。
抵抗器は、温度によって抵抗値が変化する
抵抗器に使われる素材はその種類によって「電気抵抗率」がそれぞれ異なります。どんな素材であっても温度が高くなればなるほどその電気抵抗率は高くなります。
つまり、抵抗器を使用していると、抵抗値に誤差が発生する
抵抗器の種類により、もともと表示されている抵抗値と比べて実際の抵抗値が数%異なることがあり、これを抵抗器の「精度」といいます。
またこれとは別に、通電による発熱や外気温上昇などで抵抗値本体の温度が上がると抵抗値も同時に上昇します。これを抵抗器の「温度特性」といいます。温度変化に対する抵抗値の変化が小さければ小さいほど、「温度特性が良い」といいます。
ほとんどの個人レベルの電子工作では必要ありませんが、精密なオーディオ機器などを製作する際はこれら抵抗器の「精度」と「温度特性」による誤差を考慮して回路を組む技術が必須となります。
定格電力(許容電力)
抵抗器は、その抵抗値や素材の種類によって扱うことのできる最大の電力が決まっています。
これを定格電力や許容電力といい、W(ワット)単位で表されます。電子工作で扱う抵抗器は、1/8W(=125mW)や1/4W(250mW)のものがほとんどです。
定格電力と電圧の関係は次のようになっています。
定格電力(W) = 抵抗器にかかる電圧E^2 ÷ 抵抗値R
例えば、抵抗値が10kΩで定格電力が1/4Wの抵抗器の場合、
0.25 = E^2 ÷ 10000
これを解くと、定格電力を超えずに抵抗器にかけられる最大の電圧Eは50Vとなります。 実際にはこれよりもかなり低い電圧で使用することが望ましいです。
定格電力は、先に説明した「抵抗は発熱する」特性を考慮して設定されています。そのため定格電力を超えて使用すると抵抗器が溶ける・焦げる・発火する等の危険性があるため、大きな電圧を使う回路では必ず抵抗値の定格電力も確認する必要があります。